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低血圧とは

顧問 …………………………………

本多心身医学研究所 所長   
本多和雄

企画・監修 …………………………

OD低血圧クリニック田中 院長   
田中英高
  • 起立性調節障害 Support Group
  • 起立性調節障害の子どもの日常生活サポートブック
  • 起立性調節障害の子どもの正しい理解と対応
  • 大正富山医薬品株式会社

低血圧がおこる仕組み

低血圧のなかでも起立性低血圧の人は、座っているときや立っているときに、ふらつき、めまい、からだのだるさを感じますが、からだを横にするとそれらの症状は軽くなります。それはなぜでしょうか?

起立性低血圧は立ち上がったときに、脳をはじめ全身臓器への血流が低下するためにさまざまな低血圧症状が現れると考えられています。

脳は、痛み、暑さ寒さ、においなどからだが受けるさまざまな刺激を感覚神経によってキャッチしています。そのなかには、胸が苦しくなったりする感覚も含まれます。

また脳は、からだを動かしたりする運動神経の中枢でもあります。
脳の細胞は、脳血流からの酸素と栄養分によって活動しています。

万が一、脳への血流が途絶えてしまうと、数秒で意識がもうろうとして意識を失います。
脳血流がゼロにならなくても、低下するだけで、脳の機能は著しく悪くなり、感覚神経も運動神経もその機能が低下します。思考機能も低下します。

立ち上がると血液の循環が変動する


図1 横になっているときの体循環血管
図1を見てください。
横になっているとき、人間の心臓と脳とは同じ高さにありますね。



図2 ヒトがからだを起こしたときの体循環血管
ここでからだを起こしてみましょう。(図2)
脳の位置が心臓より高くなります。

そのため、脳の血液は下に落ちようとする力(静水圧)が働き、下半身に血液が移動して、下半身の血管は静脈も動脈も拡張します。

このままでは、血液は下半身にどんどん移行して、血圧が下がり、脳血流が低下してしまいます。

しかし、健康な人では、そのような不都合にならないような機構が備わっています。それが、次に紹介する自律神経の働きです。

血圧を維持する自律神経の働き

↓下の図はマウスを乗せると収縮された時の画像に変わります。 図3 中枢・末梢自律神経系による循環調節機構 図3を見てください。
人間には自律神経システムというものが存在します。

自律神経システムの中枢は脳の中心部分(視床下部)と延髄にあります。ここがターミナルとなり全身臓器に自律神経線維が張り巡らされています。

自律神経には交感神経と副交感神経(迷走神経)がありますが、そのうち交感神経は全身の血管にくまなく張りめぐらされていて、血管を強く収縮させる働きがあります。


交感神経には、下半身の血管を拡張したままではなく収縮させる働きがあります。そのおかげで私たちは、立ち上がったときも血圧を維持することができるのです。

ところが、何らかの原因で交感神経の機能が低下すると、血管が十分に収縮しないため、血液が下半身にとどまったままになってしまいます。すると、血圧の維持は困難になり、低下します。交感神経の機能を低下させる代表的なものに糖尿病性自律神経障害があります。

精神的ストレスによる交感神経の抑制


図4 精神的ストレスと不安を形成する部位
また図4にあるように精神的ストレスによっても、私たちの脳は自律神経機能を抑制したり、あるいは逆に過剰に活動させたりします。

一般的に子どもや若い女性では精神的ストレスがかかると交感神経活動が抑制されるようです。


その結果、血管を収縮する働きが弱くなるため、心臓に血液が戻らず、血圧がどんどんと低下してしまうのです。このような状態を起立性低血圧と呼びます。

起立性低血圧では、からだを横にしているときには脳血流は低下しませんが、からだを起こすと、いま述べたような理由で脳血流が低下して、さまざまな症状が現れるのです。

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